トヨタ4RUNNERといえば、ハイラックス・サーフの北米仕様のこと。いや、逆か。北米の架装業者ウィネベーゴ・インダストリーがハイラックス・ピックアップにFRPシェルを載せて販売したのが最初で、その後北米トヨタが4RUNNERを発売。ハイラックス・サーフとして日本で販売されたのは、北米デビューから1年以上後だった。
ハイラックス・サーフは、初代60系から2代目130系、その後185系、215系まで続いたところで、2009年のランドクルーザー・プラドのフルモデルチェンジを機に、プラドに統合される形で日本での販売が終了。しかし、本家の北米トヨタでは5代目4RUNNERの販売が継続されていた。
その4RUNNERの最新モデルが、4月27日に発表された。新型のプレスリリースを読んでいくと…。あれ? ほとんど先代と変わってない。グレードはSR5、リミテッド、トレイルの3つ。駆動系は4☓2、パートタイム4☓4、フルタイム4☓4の3つ。エンジンは270hpの4リッターV6を搭載。ガンダムチックなフロントバンパーなど、外観の変更は大きいが、機能やメカニズムは基本的に流用のようだ。
しかし、すでにハイラックス・サーフが消滅した日本では、たとえ流用が多くとも、新型としてモデルが存続していること自体が羨ましい。特にリアデフロックやトラクションコントロール、KDSS(キネティック・ダイナミック・サスペンション・システム)、クロールコントロール、マルチテレインセレクトなど、オフロード向けのデバイスを満載した「トレイル」グレードは、日本のオフローダーにとって垂涎の的となる。内容的にはプラドと変わらないが、ファミリー向けのイメージが強いプラドには乗りたくない、という気持ちの若いユーザーは少なくないはず。オフロード向け装備以外は簡素にしていいから、プラドよりちょっと安い設定で、またハイラックス・サーフが復活してくれないかなぁ。